仕事をパターン化しよう!

アスペルガーの仕事術

アスペの会社員の皆さん、日々仕事をどのように進めていますか?

一般的に、アスペは「マルチタスクができない」ため、会社員(特に総合職として)として働くのは厳しいといわれています。

しかし、「はじめに」でも書きましたが、アスペでも定型発達者に囲まれて「普通に」会社で働くことは可能です。そのためには、まず第一に「仕事」という領域においてアスペが最も弱みとする「ワーキングメモリの不足」に対する対策を行うことが重要です。

さて、「ワーキングメモリ」とは、「短い時間に心の中で情報を保持し、同時に処理する能力」とされています。

アスペは、長期記憶や単一の事象に対する思考力は非常に優れているケースが多いのですが、ワーキングメモリ(=作業記憶)が非常に少ないと言われます。 パソコンでたとえると、CPUやハードディスクは最新式の超高性能、メモリが10年前のものといったところでしょうか。

ワーキングメモリの不足が及ぼす影響について、日常会話を例にとると、会話では相手の言ったことを記憶しつつ、必要に応じて取り出しながらコミュニケーションをしていく必要があります。

初めての相手と会話する場合、相手の自己紹介から年齢・職業・出身地等をワーキングメモリにインプットしつつ、相手の発言内容から臨機応変に記憶から属性情報を取り出し、マッチングさせながら相手の意図を理解し、会話を成立させていくという作業になりますが、アスペの人間は、ワーキングメモリが非常に少ないので、相手が会話のはじめに言ったことを、少し時間が経てばすぐに忘れてしまいます。

定型発達の人間は、一度言ったことは相手が理解しているという前提で話を進めるので、アスペの人間は大抵定型発達者との長時間の会話についていくことができません。

日常会話を例にとりましたが、複数の思考作業を並列的に脳内で実行するマルチタスクを行うには一定量のワーキングメモリが必要不可欠にも関わらず、アスペには決定的にそれが不足しています。

一般的な会社での仕事も基本的にマルチタスクなので、単一の事象だけに没頭することはできません。一つの作業を進めていても、上司や同僚・外部からの電話など、しょっちゅうメモリへの割り込みが入ります。また、複数の案件を抱えながら、同時並行的に進めていくのが普通です。

そこでアスペにおすすめなのが、徹底的な「仕事のパターン化」です。
なぜパターン化が有効かというと「余計なことにワーキングメモリを使わず、本当にワーキングメモリが必要な事象に対して一点集中でメモリを使う」ためです。要は「ワーキングメモリの節約」です。

何度も言っているように、アスペは定型発達と比較してワーキングメモリが非常に少ないので、余計なことにワーキングメモリを使うことはできません。そこで、臨機応変が求められる最後の最後までワーキングメモリは取っておき、パターン化できるものについては最大限パターン化を行うことによって、本当に必要な仕事に対してワーキングメモリを一点集中で使うことが重要です。

いくら臨機応変が求められる総合職でも会社での一日の仕事のパターンはだいたい決まっています。
朝出社して、コーヒーを飲んで、当日のスケジュールチェック・メールチェック、企画職の場合は会議、営業職の場合は客先への訪問、夕方からは翌日以降の会議・訪問に向けた資料作成・・・とまあこんな感じだと思います。

日中の会議や訪問もパターン化は可能ですが、まずは取り組みやすい出社・退社時のパターン化からはじめましょう。

私の場合は、出社したら挨拶をしてパソコンの電源を入れつつ上着を脱いでハンガーラックに掛けて、ログインしてスケジューラ・メーラを立ち上げつつ、机の鍵を開けて書類を取り出し、スケジュール・メールをみながらコーヒーを飲んで・・・と始業前のルーチンを決めています。

大事なのは決めたルーチンをきちんと守ることですが、少しでも効率化できることがあればどんどん取り組みましょう(ルーチンの順番の入れ替えなど)
それが更なるワーキングメモリの節約につながります。

昼間の会議や訪問・電話などは、一律のパターン化はできませんが、分析していくと仕事には概ねパターンがあることがわかります。私がついている企画職だと例えば仕事は以下の繰り返しです。

会議資料を作る⇒上司に見せる⇒ダメだしを受ける⇒直す⇒再び見せる⇒再びダメだし⇒再度直す⇒OKをもらう⇒会議にかける⇒会議でダメだしを受ける⇒直す⇒再び会議にかける⇒合意⇒実行

大雑把に書きましたが、創意工夫が必要と思われがちな企画職においても、多くは資料を作る⇒ダメだし⇒修正のトライアンドエラーの繰り返しであることに気づきます。つまり、期限が許す限り何度でもトライアンドエラーを繰り返せばよいし、期限がきてしまえばその時点でのアウトプットで進めるしかないのです。

アスペには完璧主義者が多い(私もそうでしたが)ので、「企画には創意工夫が必要だ」「完璧な企画が必要だ」と考えてしまいがちですが、常にスピードが求められるビジネスの世界で「完璧」というものは不要です。

大事なのは独りよがりな発想より上司(や同僚など)からのアドバイスを素直に聞き入れ、トライアンドエラーを繰り返すことで精度を高めていくことです。

このように割り切って自身のパターンを決めていくことによって日中の仕事も乗り切ることができます。

私の場合は、自宅から出社して始業ベルが鳴るまで完全にパターン化を行っております。
また、スーツ・ネクタイ・シャツ・ベルト・靴の組み合わせもパターン化しており、日別にパターン化しておくなど徹底的なワーキングメモリを節約を行っております。

他のワーキングメモリ節約術も今後書いていきたいと思いますが、このように徹底的にワーキングメモリを節約していくことによって、本当に必要なときにワーキングメモリを最大限使うことができます。

もちろんワーキングメモリの節約によって全てが解決するわけではありませんが、徹底的なパターン化を進めていくことによってワーキングメモリに余裕が生まれ、頭がすっきりし、仕事を進めやすくなるのが実感できると思います。

ワーキングメモリに興味がある方は、以下の書籍がおすすめです。
ワーキングメモリについて学術的な考察だけでなく、具体的にワーキングメモリを鍛え、日常生活・仕事に役立つ方法も載ってます。


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