管理人も三十代の中盤を過ぎて、そろそろ会社の「管理職」試験を受ける年齢になってきました。
断っておきますが、管理人が「優秀だから」管理職試験へ推薦されたというわけではなく、わが社においてはある程度の年齢になると受検するよう誘導されるものになっています。
これも大企業ならでは、といったところでしょうか。
さて、「アスペが管理職になるべきではない」というのがいわばアスペ界の常識のようなものかと思いますが、管理人があえて管理職昇進試験を受けるのには理由があります。
それは、大企業サラリーマンとして生きていくには定型発達者の考えを習得していくのは必須であり、管理職試験というのはそういった定型発達者の考え方やスタイルを体系的に学ぶ絶好の機会だからです。
管理人が所属する企業では、管理職への昇進は大きく以下の3つの成績の合計点で決定されます。
1.研修成績
管理職候補者を1か所に集めて2日間の研修を受けさせ、総合成績で採点されます。
研修内容としては主に以下のようなものがあります。
①グループディスカッション
6人1チームのグループを組まされ、与えられたテーマについて制限時間内に一定の結論を出すよう求められます。グループディスカッションでは、結論のレベルではなく、主に「集団のなかでどのように考え、行動する人物か?」をみられています。
②インバスケット演習
誰とも連絡をとれない極限状態を仮定して、短時間の間に、降りかかってくる多数の案件を処理するゲームです。バスケット(=籠)に多数の案件が入ってくることから「インバスケットゲーム」と呼ばれます。
だいたいの場合、「前任の管理職が急病などで急遽業務を引き継がないといけなくなったが、今日は休日で部下は誰も出社しておらず、あと2時間で1週間の海外出張に出発しないといけないが、出張中は誰とも連絡を取ることができない。それをふまえて、前任の管理職がためているメールやレターを1時間以内に処理して出張に出ること」といったあり得ない設定が与えられます。
これも案件の処理結果ではなく、極限状態を作り出すことによって、降りかかる問題や課題に対して「どのように考え、行動する人物か?」を見られています。
③部下説得演習
与えられたお題について上司役として制限時間内に部下を説得する演習です。
与えられるお題は主に、お客様や周りの社員から出ている当該の部下社員への苦情についての改善要請、売上ノルマの割り振りなどなど。だいたい部下は「ややこしい」社員という設定になっているので、説得には難儀します。こちらについても、これといった正解は特にないので、やはり上司役としてのスタイルや振る舞いを見られているものと思われます。
2.面談成績
人事部と一人当たり30分程度の面談を受けて、その結果で採点されます。
面談内容は、今の仕事での成果や会社として今後どのように進むべきか?理想とする管理職像は?など多岐にわたります。
3.所属組織の評点
所属組織の長(部長とか)が普段の仕事ぶりをみて採点します。
このように、大企業の昇進試験では、様々な角度から非常にバランス良く人物を見られています。
研修のような、バーチャルでの設定に基づくいわば「ゲーム」だけが得意でもダメですし、口がうまくて人事との「面談」だけ乗り切れても、組織内での評価だけ良くてもダメなのです。
これだけフィルターが多層に掛かっていればそうそう間違った人が管理職になることは無いのですが、逆に際立った個性派の人が昇進することもなく、それが良くも悪くも大企業が安定している所以かと思います。(ベンチャーのような新しいサービスや商品は生まれにくいが、大失敗による業績の急降下もない)
色々書きましたが、アスペにとって管理職試験とは、定型発達者の考えを学び、人としてのバランスを整えるのに非常に有効なので、「アスペは管理職には向かない」と決めつけるのではなく、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
管理人は試験に向けて以下のような書籍で、管理職としての基本を学んでいます。
(もし、試験に落ちて管理職になれなくても、リーダーや平社員でもとても勉強になる内容です)


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