職場で批判されたときの心の持ち方

アスペルガーの皆さんは職場で言われの無い批判・否定を受けることが多々あるかと思います。

周囲からの「承認」を目的として生きており、ついつい周りに合わせてしまうアスペルガーの私であっても、上司から日々批判・否定を受けながら生きています。

上司の意見に逆らえば怒られ、上司の意見に従えば「お前には意見は無いのか?」と怒られる。
アスペルガーの皆さんにもお心あたりがあるかと思います。

定型発達の優秀なサラリーマンは、上司の意向に配慮しつつ、自分の意思を通していくという事にとても長けています。アスペルガーは基本シングルタスクなので、 自分の意思を通せば相手の意思を無視してしまうし、相手の意思を尊重すれば自分の意見が無くなり従うだけになってしまうという不器用な面が強いです。

この不器用さについての根本的解決策はありませんが、職場で批判・否定されることについては、一定の考え方で受け流すことが重要です。

なぜ上司や周囲は職場であなたを批判・否定するのか?

それは、必ずしもアスペルガーのあなたや私が不器用だからなのではなく、職場は「批判」によって成り立っているものだからです。

組織というものは、様々な役割の人々が相作用しあって成立しています。

例えば、企業には「内部監査」というものが存在します。
多くの企業において、営業部門の人々は厳しい数値ノルマを課せられているため、手段を選ばず受注を取りに行くこともあるかと思います。そういった場合においても、法律や社会のルールを犯すことが無いようチェックする仕組みが「内部監査」の役割であるため、当然営業部門の人とは対立するシーンも出てきます。

営業部門の人間は「自分たちが会社の売上を稼いできているのに、邪魔しやがって」という目を監査の人間に向けるようなことはごくありふれています。

監査の人間が社内から目の敵にされることは、組織の摂理としてごく当たり前の事ですが、これは監査の人間たちが人間的に嫌われている云々ではなく、監査を行う人という「立場」に対しての批判なのです。

もし嫌われ役の監査の人がいなければ、営業部門が暴走し、一時的に売上があがったとしても、不祥事の発覚に会社が売上以上の大打撃を被る危険性が高まります。

このように会社は、様々な役割を分業して行っているものであり、組織対組織では、目的は同じであっても、役割が対立することは多々あります。上では監査の例をあげましたが、他にも営業部門と技術部門の対立はどこの会社でも多かれ少なかれありますし、業務に追われる現場と、残業時間を減らすミッションをもった本社管理部門との対立など、挙げればきりがりません。

個人事業主は例外だと思われがちですが、個人事業主は役割分担をしていないだけであって、事業主たる個人の中で「売上をあげたい」という気持ちと、「不正をしてはいけない」という気持ちが対立しています。

つまり、組織というのは様々な相対立する役割を与えられたもの同士が、お互いににらみをきかせあうことによって成立しているものであり、その性質上、お互いを批判・否定し、ぎくしゃくすることはある意味不可避なのです。

特に組織が大きくなればなるほど、この「ぎくしゃく」はとても大きいものとなり、組織の中にいる人々を苦しめることになります。

そういう意味で言うと、あなたが上司や周囲から日々受ける批判や否定と呼ばれるものの多くは、あなた自身ではなく「あなたの立場」に対して浴びせられるものなのです。

例えば、あなたが現場を統括する本社の人間であれば、あなたが現場の人間から「現場がわかっていない」と言われるのはある意味不可避なのです。そうであれば、現場を回って現場を理解すれば良いじゃないか!と言われそうですが、本社の人間が完全に現場を理解し、現場の立場に回ってしまうと、あなたが本社の人間である意味がありません。会社が、現場を統括するあなたに期待することは、多少現場に嫌われても、生産性や売上を向上させることであって、「現場に好かれること」ではないからです。もちろん、現場に100%嫌われていては、そういった目的も達成できませんが、現場を統括する以上、嫌われるのはある意味「当たり前」であると割り切らなければなりません。

むしろ、会社のためになることは、現場から嫌われるケースが多い以上、「現場からクレームが上がること」は、あなたが会社のために仕事をしているからに他なりません。(もちろん、現場のクレームを抑えることも、あなたの役割なので、クレームが上がっていることに満足してしまってはいけませんが)

上司との関係においても、部下を管理監督する責任を負っている上司は、あなたを叱るのが「仕事」であり、あなたを叱るのは会社から与えられた任務を遂行しているに過ぎず、決してあなたを苦しめているものではありません。

もちろん、アスペルガーであれば職場であっても他者から受ける批判・否定は、定型発達者が同じ立場に立って仕事をしたときと比較して、少し増幅されたものになるかもしれません。 

しかし、批判・否定の大部分があなたの「立場」に対して浴びせられるものであると覚えておけば、批判・否定されたときのショックをかなり和らげることができるでしょう。

あなたを批判・否定する人も、四六時中あなたの事を考えているわけではなく、あくまで「職場」という枠組みの中において言っているにすぎません。

それよりも、不器用ながらも誠実・謙虚に仕事をしていれば、必ず相手が分かってくれるときが来ます。信頼された時の、相手からの承認は、定型発達者を大きく上回ることもあるでしょう。

それまでの道のりは、定型発達者と比較して少し長いかもしれませんが、めげずに愚直に進んで行きましょう。

明けない夜は無いです。
アスペルガーの私山あり谷ありの会社員生活を送ってきた経験を言うのですから、間違いはありません。 

頑張りましょう。 

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